システムアーキテクトの資格




■システムアーキテクトとは

「ITストラテジスト」による提案を受けて、システムの基本的なアーキテクチャー(枠組み)を設計するとともに、応用情報技術者を指揮しながらシステム構築を推進するシステム開発の中核的な技術者がシステムアーキテクトです。
情報システムの開発を主導する人です。

「ITストラテジスト」とは、ビジネスモデルや企業活動のプロセスにおいて、情報技術を活用して、改革、高度化、最適化するための基本戦略を策定、提案、推進する人です。

情報システムや組み込みシステムの開発工程、業務分析から、システム要件、システム設計、プログラム開発、運用テストまでをおこないます。


■資格の分類

国家資格です。

■試験の難易度

試験は、難しくなります。
合格率は、平均14.8%(2011年秋期)前後です。

以下は、システムアーキテクト試験の内容です。
試験の内容は、情報処理技術者試験センターから抜粋しています。

■年齢制限

受験の年齢制限はありません。

■対象者像

高度IT人材として確立した専門分野をもち、ITストラテジストによる提案を受けて、情報システム又は組込みシステムの開発に必要となる要件を定義し、それを実現するためのアーキテクチャを設計し、情報システムについては開発を主導する者

■役割と業務

【情報システム】
情報システム戦略を具体化するための情報システムの構造の設計や、開発に必要となる要件の定義、システム方式の設計及び情報システムを開発する業務に従事し、次の役割を主導的に果たすとともに、下位者を指導する。

  1. 情報システム戦略を具体化するために、全体最適の観点から、対象とする情報システムの構造を設計する。
  2. 全体システム化計画及び個別システム化構想・計画を具体化するために、対象とする情報システムの開発に必要となる要件を分析、整理し、取りまとめる。
  3. 対象とする情報システムの要件を実現する最適なシステム方式を設計する。
  4. 要件及び設計されたシステム方式に基づいて、要求された品質を満足するソフトウェアの設計・開発、テスト、運用及び保守についての検討を行い、対象とする情報システムを開発する。
    なお、ネットワーク、データベースなどの固有技術については、必要に応じて専門家の支援を受ける。
  5. 対象とする情報システム及びその効果を評価する。

【組込みシステム】
組込みシステムの要件を調査・分析し、機能仕様を決定し、ハードウェアとソフトウェアの要求仕様を取りまとめる業務に従事し、次の役割を主導的に果たすとともに、下位者を指導する。

  1. 組込みシステムの企画・開発計画に基づき、対象とする組込みシステムの機能要件、技術的要件、環境条件、品質要件を調査・分析し、機能仕様を決定する。
  2. 機能仕様を実現するハードウェアとソフトウェアへの機能分担を検討して、最適なシステムアーキテクチャを設計し、ハードウェアとソフトウェアの要求仕様を取りまとめる。
  3. 汎用的なモジュールの導入の妥当性や開発されたソフトウェア資産の再利用の可能性について方針を策定する。


■期待する技術水準

システムアーキテクトの業務と役割を円滑に遂行するため、次の知識・実践能力が要求される。

【情報システム】

  1. 情報システム戦略を正しく理解し、業務モデル・情報システム全体体系を検討できる。
  2. 各種業務プロセスについての専門知識とシステムに関する知識を有し、双方を活用して、適切なシステムを提案できる。
  3. 企業のビジネス活動を抽象化(モデル化)して、情報技術を適用できる形に再構成できる。
  4. 業種ごとのベストプラクティスや主要企業の業務プロセスの状況、同一業種の多くのユーザ企業における業務プロセスの状況、業種ごとの専門知識、業界固有の慣行などに関する知見をもつ。
  5. 情報システムの実現方式、開発手法、ソフトウェアパッケージなどの汎用的なシステムに関する知見をもち、適切な選択と適用ができる。
  6. OS、データベース、ネットワークなどにかかわる基本的要素技術に関する知見をもち、その技術リスクと影響を勘案し、適切な情報システムを構築し、保守できる。
  7. 情報システムのシステム運用、業務運用、投資効果及び業務効果について、適切な評価基準を設定し、分析・評価できる。
  8. 多数の企業への展開を念頭において、ソフトウェアや、システムサービスの汎用化を検討できる。

【組込みシステム】

  1. 対象とする組込みシステムが用いられる環境条件や安全性などの品質要件を吟味し、実現すべき機能仕様を決定できる。
  2. 対象とする組込みシステムの機能仕様に基づき、ハードウェアとソフトウェアの適切な組合せを設計し、それぞれの要求仕様としてまとめることができる。
  3. リアルタイムOSに関する深い知識と汎用的なモジュールに対する知識を有し、ソフトウェア資産の再利用可能性の検討や、適切な活用ができる。


■試験形式と試験時間


午前1 午前2 午後1 午後2
9:30〜10:20
(50分)
多肢選択式
(四肢択一)
出題数:30問
解答数:30問
10:50〜11:30
(40分)
多肢選択式
(四肢択一)
出題数:25問
解答数:25問
12:30〜14:00
(90分)
記述式
出題数:4問
解答数:2問
14:30〜16:30
(120分)
論述式
出題数:3問
解答数:1問


■試験の手続き日程


秋期
試験実施日 10月第3日曜日
願書の受付 7月中旬から約1か月間
受験手数料 5,100円(税込み)
合格発表 試験実施の約2か月後


■出題範囲


出題範囲(1・2・3・4は技術レベル。◎は重点分野)
午前の試験 コンピュータ構成要3
システム構成要3
データベース3
ネットワーク3
セキュリティ3
システム開発技術4(◎)
ソフトウェア開発管理技術3
システム戦略3
システム企画4(◎)
午後の試験 【情報システム】
1.契約・合意に関すること
提案依頼書(RFP)・提案書の準備,プロジェクト計画立案の支援 など

2.企画に関すること
対象業務の内容の確認,対象業務システムの分析,適用情報技術の調査,業務モデルの作成,システム化機能の整理とシステム方式の策定,サービスレベルと品質に対する基本方針の明確化,実現可能性の検討,システム選定方針の策定,費用とシステム投資効果の予測 など

3.要件定義に関すること
ニーズの識別と制約事項の定義,業務要件の定義,新組織・業務環境要件の具体化,機能要件の定義,非機能要件の定義,スケジュールに関する要件の定義 など

4.開発に関すること
システム要件定義,システム方式設計,ソフトウェア要件定義,ソフトウェア方式設計,ソフトウェア詳細設計,システム結合,システム適格性確認テスト,ソフトウェア導入,ソフトウェア受入れ支援 など

5.運用・保守に関すること
運用テスト,業務及びシステムの移行,システム運用の評価,業務運用の評価,投資効果及び業務効果の評価,保守にかかわる問題把握及び修正分析 など

6.関連知識
構成管理,品質保証,監査,関連法規 など


【組込みシステム】
1.機能要件の分析,機能仕様の決定に関すること
開発システムの機能要件の分析,品質要件の分析,開発工程設計,コスト設計,性能設計,機能仕様のまとめ,関連技術 など

2.機能仕様を満足させるハードウェアとソフトウェアの要求仕様の決定に関すること
ハードウェアとソフトウェアのトレードオフ,機能分割設計,システム構成要素への機能分割,装置間インタフェース仕様の決定,ソフトウェア要求仕様書・ハードウェア要求仕様書の作成,システムアーキテクチャ設計,信頼性設計,リアルタイムOS など

3.汎用的モジュールの利用に関すること
モジュール化設計,再利用,構成管理 など



■受験手続

個人受付と団体受付があります。
  1. 個人受付は
    • 郵便局での受付
    • インターネットでの受付

  2. 団体受付は
    • 10人以上
    • 書面及び電子媒体での受付


■試験地

全国の主要都市です。 

■問い合せ先

問い合わせは次のとおりです。
  • 独立行政法人 情報処理推進機構 情報処理技術者センター
  • 〒113-8663
    東京都文京区本駒込2-28-8 文京グリーンコートセンターオフィス15F
  • TEL:03-5978-7600
  • 音声&FAX情報サービス 03-5978-7609
  • URL:http://www.jitec.jp/






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