CAD利用技術者の資格




■CAD利用技術者とは

CADとは、「Computer Aided Design」の略であり、日本語で言うと「コンピュータ支援設計」です。

以前は、図面を書いたり、デザインや設計をするときは、手作業でおこなっていたのですが、最近では、コンピュータソフトによって行います。
そのコンピュータを使用した設計を、CAD(キャド)と呼んでいます。

CADは、いろいろな業種、例えば、土木、機械、電気、自動車、ファッション、アパレルなど多くの分野で使用されています。

そのCADの全般的な知識、操作技術を証明できる資格が「CAD利用技術者」です。
CAD関連の中で、知名度が高く、受験者も多い資格です。
また、企業から、即戦力として評価の高い資格です。

CADを使って設計、製図を行う技術者の需要は増加しています。

■資格の分類

社団法人日本パーソナルコンピュータソフトウェア協会がおこなう民間資格です。

■資格の種類

CAD利用技術者は、次のようにいくつかに分かれています。

大きく、2つに分かれています。

  1. CAD利用技術者
  2. 3次元利用技術者

それぞれの中は次のように分かれています。


1.CAD利用技術者

資格名 概要
CAD利用技術者試験1級(建築) 建築系のCADシステムを操作できるだけではなく設計の補助業務を担い、将来、設計者やオペレーターの管理業務を目指す方のための資格です。
CAD利用技術者試験1級(機械) 機械系のCADシステムを操作できるだけではなく設計の補助業務を担い、将来、設計者やオペレーターの管理業務を目指す方のための資格です。
CAD利用技術者試験1級(トレース) 汎用のCADシステムを利用して製図業務に特化した操作能力と知識を持った方のための資格です。
CAD利用技術者試験2級 CADシステムの1級を目指す方や、設計や製図、CADシステムの販売に従事する方のための資格です。
CAD利用技術者基礎試験 これから、CADを本格的に学ぶことを目的とした方や、設計や製図、CADシステムの販売に従事する方のための資格です。


1.3次元CAD利用技術者

特に、機械系、製造系の3次元CADシステムを利用して、モデリング、設計、製図をする技術者です。

資格名 概要
3次元CAD利用技術者試験1級 機械系、製造系の3次元CADシステムを利用して、3次元CADシステムを操作できるだけではなく設計の補助業務を担い、将来、設計者やオペレーターの管理業務を目指す方のための資格です。
3次元CAD利用技術者試験準1級 機械系、製造系の3次元CADシステムを利用して、3次元CADを学び、知識と操作の基礎的な部分を習得し、3次元設計の補助業務やオペレーターを目指す方のための資格です。
3次元CAD利用技術者試験2級 機械系、製造系の3次元CADシステムを利用する方、関連製品の管理営業などを担当される方のための資格です。


■試験の難易度

試験は、レベルによりことなります。
合格率は、1級で18%前後です。


■資格試験の詳細

以下は、それぞれの資格別の詳細です。

1.CAD利用技術者試験1級(建築)

項目 内容
受験資格 2級有資格者および過去の1級合格者に限ります。
資格名/称号 CAD利用技術者試験1級(建築)
受験料 15,000円(消費税込み)
※2級との併願受験は18,500円(消費税込み)
※過去の1級合格者は10,000円(消費税込み)
※お支払いの際、振込登録手数料として120円が加算されます。
何卒予めご了承ください。
受験対象者 建築系CADに関する専門知識および技能を修得している方を対象としています。CAD関連業務就業者ならびにそれに準じる知識および技能を有する方を想定して試験を行います。
試験形態 実技試験と筆記試験
試験時間 80分(保存時間含む)
※筆記問題、実技問題のどちらから始めても構いません
試験方法 CADシステムを使用した作図問題(作成データを保存したフラッシュメモリを提出)と建築分野の専門知識を問う筆記問題
試験事前準備 ホーページから解答枠の事前ダウンロードが必要になります。(行っていない場合は採点対象外となります。また当日の提供も行いません)。
試験科目 ●実技試験
RC造:平面図、断面図、立面図、矩計図
木造:平面図、断面図、立面図
※ ファイルは、DXFまたはSXF(.sfcのみ)フォーマットで保存すること。

●筆記試験
【建築製図の知識】
建築業務の基本知識、建築製図、建築の主な構造、建築の主な材料と部材、モジュール、建築業務と建築図面の役割
【設計情報の電子化】
建築CALS/EC、建築生産業務の電子情報化、建築CAD図面作成要領(案)、コンピュータによるシミュレーション
合格基準 実技試験・筆記試験が各5割以上、および総合が7割以上を合格基準とします。


2.CAD利用技術者試験1級(機械)

項目 内容
受験資格 2級有資格者および過去の1級合格者に限ります。
資格名/称号 CAD利用技術者試験1級(機械)
受験料 15,000円(消費税込み)
※2級との併願受験は18,500円(消費税込み)
※過去の1級合格者は10,000円(消費税込み)
※お支払いの際、振込登録手数料として120円が加算されます。
何卒予めご了承ください。
受験対象者 機械系CADに関する専門知識および技能を修得している方を対象としています。CAD関連業務就業者ならびにそれに準じる知識および技能を有する方を想定して試験を行います。
試験形態 実技試験と筆記試験
試験時間 80分(保存時間含む)
試験方法 CADシステムを使用した作図問題(作成データを保存したフラッシュメモリを提出)と建築分野の専門知識を問う筆記問題
試験事前準備 ホーページから解答枠の事前ダウンロードが必要になります。(行っていない場合は採点対象外となります。また当日の提供も行いません)。
試験科目 ●実技試験
【機構部品の作図】
リンク機構、カム機構
【投影図からの作図】
第三角法
【適切な数値(カタログ、要目表など)からの作図】
機械要素部品
※ ファイルは、DXFフォーマットで保存すること。

●筆記試験
【機械製図の知識】
機械製図の基本、材料、公差とはめあい、幾何公差、表面性状、加工方法、機械要素
合格基準 実技試験・筆記試験が各5割以上、および総合が7割以上を合格基準とします。


3.CAD利用技術者試験1級(トレース)

項目 内容
受験資格 2級有資格者および過去の1級合格者に限ります。
資格名/称号 CAD利用技術者試験1級(トレース)
受験料 15,000円(消費税込み)
※2級との併願受験は18,500円(消費税込み)
※過去の1級合格者は10,000円(消費税込み)
※お支払いの際、振込登録手数料として120円が加算されます。何卒予めご了承ください。
受験対象者 汎用系CADに関する基本知識および技能を修得している方を対象としています。CAD関連業務就業者ならびにそれに準じる知識および技能を有する方を想定して試験を行います。
試験形態 実技試験と筆記試験
試験時間 80分(保存時間含む)
※筆記問題、実技問題のどちらから始めても構いません。
試験方法 CADシステムを使用した実技問題(解答データを保存したフラッシュメモリを提出)とトレース分野の基本知識と各分野の図記号および略語を問う筆記問題
試験事前準備 ホーページから解答枠の事前ダウンロードが必要になります。(行っていない場合は採点対象外となります。また当日の提供も行いません)。
試験科目 ●実技試験
【編集・レイヤ設定能力】
図形の編集、コマンド操作、レイヤ設定
【トレース能力】
図面のトレース
【投影能力】
投影関係と形状理解
※ 実技試験では、出題される分野の専門知識は必要ありませんが、図記号、線種などの知識は必要となります。
※ ファイルは、DXFフォーマットで保存すること。

●筆記試験
【製図の知識】
図面の名称、線の種類と用途、寸法補助記号、図記号(建築、機械、土木、電気)

合格基準 実技試験・筆記試験が各5割以上、および総合が7割以上を合格基準


4.CAD利用技術者2級

項目 内容
受験資格 特に制限はありません。
資格名/称号 CAD利用技術者2級
受験料 5,500円(消費税込み)
※ 1級併願(建築、機械、トレースのうちいずれかを選択)の場合は18,500円(消費税込み)
※お支払いの際、振込登録手数料として120円が加算されます。
何卒予めご了承ください。
受験対象者 CADに関する専門知識(CADシステム、製図)とCADシステムを利用し設計・製図業務を行ううえで必要な知識を修得している方を対象としています。
CAD関連業務就業者ならびにそれに準じる知識および技能を有する方を想定して試験を行います。
試験形態 筆記試験
試験時間 60分
試験方法 多肢選択方式
試験科目 ・ CADシステム分野
CADシステムの概要と機能、CADシステムの基本機能、CADの作図データ、CADシステムとハードウェア、 CADシステムとソフトウェア、ネットワークの知識、情報セキュリティと知的財産、CADシステムの運用・管理と課題、 3次元CADの基礎知識

・ 製図分野
製図一般、製図の原理と表現方法、製図における図形の表現方法
合格基準 CADシステム分野・製図分野が各5割以上、及び総合が7割以上を合格基準


5.CAD利用技術者基礎試験

項目 内容
受験資格 特にありません
資格名/称号 CAD利用技術者基礎試験
受験料 4,000円(消費税込み)
※お支払いの際、振込登録手数料として150円が加算されます。
何卒予めご了承ください。
試験対象 CADシステムを理解するうえでの基本的な知識を有する方を対象としています。CADシステムについての初学者ならびに将来専門または間接的にCADシステムに係わる職業を希望する方を想定して試験を行います(工業高校、高等専門学校在校生(CADスクール受講生などの一般初学者含む))。
試験形態 WBT(インターネットに接続した環境で、コンピュータを利用した試験)
試験時間 50分
試験方法 多肢選択方式、正誤方式
試験科目 ● CADシステムの基礎知識と利用
CADシステムの概要・基本概念、CADシステムの基本機能など
● CADを動作させるコンピュータシステム
製図一般、製図の原理と表現方法、製図における図形の表現方法
● ネットワークの基礎知識
通信ネットワーク、LAN、インターネットなど
● 情報セキュリティと知的財産
● 製図の基礎
製図の目的と一般規則、製図の原理と表現方法など
● 図形の基礎
● 三角形、四角形と多角形、円、立体図形など
※ 出題数:50問
(コンピュータ分野/20問、CAD分野/30問)


※CSAJ発行公式ガイドブックに準拠
合格基準 7割以上の正解を合格ラインとします。


6.3次元CAD利用技術者試験1級

項目 内容
受験資格 2級合格年度の翌々年度以内の者

例: 平成20年度以降に2級に合格されているか、平成19年度以前の3次元CAD利用技術者試験(筆記+実技の試験)に合格されていれば、いつでも1級を受験いただけます。
資格名/称号 3次元CAD利用技術者試験1級
受験料 15,000円(消費税込み)
※2級との併願受験:20,000円(消費税込み)
受験対象者 3次元CADシステム(製造・機械系)を利用して、モデリング・設計・製図などの業務に従事して半年以上の実務経験を有する方を想定して試験を行います。
試験形態 実技
試験時間 120分以内(実技試験開始60分後から終了10分前まで解答等提出後退出可)
試験方法 ・ 3次元CADソフトを使用したモデリング、アセンブリ
・ モデルの体積、表面積などを測定し、解答群の中からもっとも近い値を選択し、解答用紙(マークシート)に記入。
試験科目 ● CADリテラシー問題
文章によるモデリング手順に従い、部品を作成する問題。第三者との口頭によるやり取りや手描き図面情報の伝達をイメージし、的確にコマンドを使用できるかを問う。
● 空間把握能力問題
投影図、展開図より、部品を作成する問題。空間形状が把握できているかを問う。
● 部品組立て能力問題
部品を作成し、それらを組み立てる問題。正しく部品を組み立てられるかを問う。
● 2次元図面からの作図能力問題
2次元図面より、機械部品を作成する問題。実務の基本的な能力を総合的に問う。
合格基準 各分野5割以上、および総合7割以上の正解を合格ラインとする。


7.3次元CAD利用技術者試験準1級

項目 内容
受験資格 2級合格年度の翌々年度以内の者

例: 平成20年度以降に2級に合格されているか、平成19年度以前の3次元CAD利用技術者試験(筆記+実技の試験)に合格されていれば、いつでも準1級を受験いただけます。
資格名/称号 3次元CAD利用技術者試験準1級
受験料 10,000円(消費税込み)
※2級との併願受験:15,000円(消費税込み)
受験対象者 3次元CADシステム(製造・機械系)を利用したモデリング・設計・製図などの業務に従事することを目指す者、もしくは従事して間もない方を想定して試験を行います。
試験形態 実技
試験時間 120分以内(実技試験開始60分後から終了10分前まで解答等提出後退出可)
試験方法 ・ 3次元CADソフトを使用したモデリング
・ モデルの体積、表面積などを測定し、解答群の中からもっとも近い値を選択し、解答用紙(マークシート)に記入。
試験科目 ● CADリテラシー問題
文章によるモデリング手順に従い、部品を作成する問題。第三者との口頭によるやり取りや手描き図面情報の伝達をイメージし、的確にコマンドを使用できるかを問う。
● 空間把握能力問題
投影図、展開図より、部品を作成する問題。空間形状が把握できているかを問う。
● 2次元図面からの作図能力問題
2次元図面より、機械部品を作成する問題。実務の基本的な能力を総合的に問う。
合格基準 各分野5割以上、および総合7割以上の正解を合格ラインとする。


.3次元CAD利用技術者試験2級

項目 内容
受験資格 特にありません
資格名/称号 3次元CAD利用技術者試験2級
受験料 7,000円(消費税込み)
受験対象者 CADシステム(製造・機械系)を利用したモデリング・設計・製図などの業務に従事する者、および3次元CADシステムの周辺業務に従事している方。を想定して試験を行います。
試験形態 筆記
試験時間 90分
(筆記試験開始60分後から終了10分前まで解答等提出後退出可)
試験方法 マークシート方式による多肢選択方式(3択)および真偽方式で75問
試験科目 ●3次元CADの概念
3次元CADとは、3次元CADの必要性、3次元CADの歴史、3次元モデルのデータ構造、表示技術、3次元モデルの構成

●3次元CADの機能と実用的モデリング手法
3次元CADによる設計、モデリング機能、実用化の事例、複合化したコマンド、検査・計測・解析の方法、パラメトリックモデリング、アセンブリモデリング、実用上の注意点

●3次元CADデータの管理と周辺知識
トレランス、データ変換、PDQ、PDM、プロジェクト管理、コンピュータシステムの構成、データの記憶媒体、CADとネットワーク知識、情報セキュリティ

●3次元CADデータの活用
CAE、CAM、CAT、CG、RP、DMU(ディジタルモックアップ)ツール、コラボレーション、3次元CADデータの応用例
合格基準 各分野5割以上、および総合7割以上の正解を合格ラインとする。


■試験の手続き日程


日程
1・2級 年2回(6月、11月)実施
基礎 随時実施
3次元 年2回(7月、12月)実施


■試験地

全国の主要都市です。 

■お問い合せ先

お問い合わせは次のとおりです。
  • 社団法人コンピュータソフトウェア協会
    CAD利用技術者試験センター
  • 〒100-0014
    東京都千代田区永田町2-4-2 秀和溜池ビル
  • TEL:0120-044-506(受付時間 月〜金 10:00〜17:00)
  • URL:http://www.csaj.jp/cad/






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