ITパスポートの資格
■ITパスポートとは
「ITパスポート」は、ユーザーのためにパソコンの使い方から活用まで幅広くシステム化を推進する役割をもっています。
基本的なパソコン知識や、ソフトウェアライセンスなどの法関係、さらには、マネジメントや経営戦略など幅広い知識が必要です。
システムやパソコンの利用者のための資格です。
オフィス部門の人にとっては人気の高い国家資格です。
ユーザーの為のパソコンやシステムの先生ですね。
試験は、ITパスポート試験と呼ばれています。
2009年、平成21年度から情報処理技術者試験が変わりました。
以前の初級システムアドミニストレータ試験が、「ITパスポート」試験になりました。
試験範囲は、基礎的な幅広い知識が要求されます。
■資格の分類
国家資格です。
■どんな仕事に有利なの
最近は、情報関連部門だけではなく、あらゆる部門で情報システム化が進んでいます。
システムを使う範囲が広がったため、マネジメントや経営戦略からシステムの管理や運用などまでシステム部門だけではなくユーザーでも行う必要がでています。
企業のオフィス部門では、「ITパスポート」の資格取得を推奨しています。
エンジニアとしては、当然知っておく知識です。
■将来性はどうなの?
ITパスポートは、パソコンやネットワークに関する一定の知識をもち、利用者として具体的な利用や活用方法、改善案などを提案できる人材として今も、将来的にも期待されています。
就職や転職に有利です。
■試験の難易度
試験は、システムを開発すると言うよりもユーザーとしての立場からのマネジメント、経営戦略、パソコン、コンピュータ、ネットワーク、システムなど幅広い知識や技術の試験です。
パソコンをある程度使用している人には、受験し易いと思います。
合格率は、61.2%(2011年秋期)ですので取りやすい資格だと思います。
以下は、ITパスポート試験の内容です。
試験の内容は、情報処理技術者試験センターのホームページから抜粋しています。
■年齢制限
受験の年齢制限はありません。
■対象者像
職業人が共通に備えておくべき情報技術に関する基礎的な知識をもち、情報技術に携わる業務に就くか、 担当業務に対して情報技術を活用していこうとする者です。
■役割と業務
職業人として備えておくべき、情報技術に関する共通的な基礎知識を習得した者であり、担当する業務に対して情報技術を活用し、次の活動を行います。
- 利用する情報機器及びシステムを把握し、活用する。
- 担当業務を理解し、その業務における問題の把握及び必要な解決を図る。
- 安全に情報の収集や活用を行う。
- 上位者の指導の下、業務の分析やシステム化の支援を行う。
■期待する技術水準
職業人として、情報機器及びシステムの把握や、担当業務の遂行及びシステム化を推進するために、次の基礎的な知識が要求されます。
- 利用する情報機器及びシステムを把握するために、コンピュータシステムやネットワークに関する知識をもち、オフィスツールを活用できる。
- 担当業務を理解するために、企業活動や関連業務の知識をもつ。また、担当業務の問題把握及び必要な解決を図るために、システム的な考え方や論理的な思考力をもち、かつ、問題分析及び問題解決手法に関する知識をもつ。
- 安全に情報を活用するために、関連法規や情報セキュリティに関する各種規定に従って活動できる。
- 業務の分析やシステム化の支援を行うために、情報システムの開発及び運用に関する知識をもつ。
■試験時間・出題形式・出題数
試験時間・出題形式・出題数は次のようになっています。
試験実施日 | 165分 |
出題形式 | 多肢選択式(四肢択一) (1)小問形式(1問の中に1つの設問がある試験問題) (2)中問形式(1問の中に4つの設問がある試験問題。 1つの状況設定に対し、複数の視点から知識・理解を問う) |
出題数 | 100問 (1)小問形式:84問 (2)中問形式:4問(1中問につき4小問出題) |
■試験の手続き日程
春期 | 秋期 | |
試験実施日 | 4月第3日曜日 | 10月第3日曜日 |
願書の受付 | 1月中旬から約1か月間 | 7月中旬から約1か月間 |
受験手数料 | 5,100円(税込み) | |
合格発表 | 試験実施の約1か月後 | 試験実施の約1か月後 |
■出題範囲
IT パスポート試験では,情報技術を活用するために必要な共通的基礎知識を問う問題です。
試験問題は、各分野から次の問題数で出題されます。
ストラテジ系:35 問程度、マネジメント系:25 問程度、テクノロジ系:40 問程度です。
出題範囲は次のようになっています。
分 野 |
大分類 | 中分類 | 出題範囲(1・2・3・4は技術レベル。◎は重点分野) |
ス ト ラ テ ジ ー 系 |
1. 企業と法務 |
1. 企業活動 |
・企業活動や経営管理に関する基本的な考え方を問う。 ・身近な業務を分析し,課題を解決する手法や,PDCA の考え方,作 業計画,パレート図などの手法を問う。 ・業務フローなど業務を把握する際のビジュアル表現について問う。 ・財務諸表,損益分岐点など会計と財務の基本的な考え方を問う。 |
2.法務 | ・知的財産権(著作権,産業財産権など),個人情報保護法,労働基準法,労働者派遣法など,身近な職場の法律を問う。 ・ライセンス形態,ライセンス管理など,ソフトウェアライセンスの考え方,特徴を問う。 ・コンプライアンス,コーポレートガバナンスなど,企業の規範に関する考え方を問う。 ・標準化の意義を問う。 |
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2. 経営戦略 |
3. 経営戦略 マネジメント |
・SWOT 分析,プロダクトポートフォリオマネジメント(PPM),顧客満足度,CRM,SCM などの代表的な経営情報分析手法や経営管理システムに関する基本的な考え方を問う。 ・表計算ソフト,データベースソフトなどオフィスツール(ソフトウェアパッケージ)の利用に関する理解を問う。 |
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4. 技術戦略 マネジメント |
・技術開発戦略の意義,目的などに関する理解を問う。 | ||
5. ビジネス インダストリ |
・電子商取引,POS システム,IC カード・RFID 応用システムなど,各種ビジネス分野での代表的なシステムの特徴を問う。 ・エンジニアリング分野や電子商取引での代表的なシステムの特徴を問う。 ・情報家電や組込みシステムの特徴,動向などを問う。 |
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3. システム 戦略 |
6. システム 戦略 |
・情報システム戦略の意義と目的,戦略目標,業務改善,問題解決などに向けた考え方を問う。 ・業務モデルにおける代表的なモデリングの考え方を問う。 ・コミュニケーションにおけるグループウェアやオフィスツールなどの効果的な利用について問う。 ・コンピュータ及びネットワークを利用した業務の効率化の目的,考え方について問う。 ・代表的なサービスを通じて,ソリューションの考え方を問う。 ・システム活用促進・評価活動の意義と目的を問う。 |
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7.システム 企画 |
・システム化計画の目的を問う。 ・現状分析などに基づく業務要件定義の目的を問う。 ・見積書,提案依頼書(RFP),提案書の流れなど調達の基本的な流れを問う。 |
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マ ネ ジ メ ン ト 系 |
4. 開発技術 |
8. システム開発技術 |
・要件定義,システム設計,プログラミング,テスト,ソフトウェア保守などソフトウェア開発のプロセスの基本的な流れを問う。 ・ソフトウェア開発における見積りの考え方を問う。 |
9. ソフトウェア 開発管理技術 |
・代表的な開発手法に関する意義や目的について問う。 | ||
5. プロジェクトマネジメント |
10. プロジェクト マネジメント |
・プロジェクトマネジメントの意義,目的,考え方,プロセス,手法を問う。 | |
6. サービスマ ネジメント |
11. サービス マネジメント |
・IT サービスマネジメントの意義,目的,考え方を問う。 ・ヘルプデスクなど関連項目に関する理解を問う。 ・コンピュータやネットワークなどのシステム環境整備に関する考え方を問う。 |
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12. システム監査 |
・システム監査の意義,目的,考え方,対象を問う。 ・計画,調査,報告など,システム監査の流れを問う。 ・内部統制,IT ガバナンスの意義,目的,考え方を問う。 |
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テ ク ノ ロ ジ 系 |
7. 基礎理論 |
13. 基礎理論 |
・2 進数の特徴や演算,基数に関する基本的な考え方を問う。 ・ベン図などの集合,確率や統計に関する基本的な考え方を問う。 ・ビット,バイトなど,情報量の表し方や,ディジタル化の基本的な考え方を問う。 |
14. アルゴリズムとプログラミング |
・アルゴリズムとデータ構造の基本的な考え方,流れ図の表現方法を問う。 ・プログラミングの役割を問う。 ・HTML,XML などのマークアップ言語の種類とその基本的な使い方を問う。 |
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8. コンピュー タシステム |
15. コンピュータ 構成要素 |
・コンピュータの基本的な構成と役割を問う。 ・プロセッサの性能と基本的な仕組み,メモリの種類と特徴を問う。 ・記録媒体の種類と特徴を問う。 ・入出力インタフェース,デバイスドライバなどの種類と特徴を問う。 |
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16. システム構成要素 |
・システムの構成,処理形態,利用形態の特徴を問う。 ・クライアントサーバシステムの特徴を問う。 ・Web システムの特徴を問う。 ・システムの性能・信頼性・経済性の考え方を問う。 |
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17. ソフトウェア |
・OS の必要性,機能,種類,特徴を問う。 ・アクセス方法,検索方法など,ファイル管理の考え方と基本的な機能の利用法,バックアップの基本的な考え方を問う。 ・オフィスツールなどソフトウェアパッケージの特徴と基本操作を問う。 ・オープンソースソフトウェア(OSS)の特徴を問う。 |
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18. ハードウェア |
・コンピュータの種類と特徴を問う。 ・入出力装置の種類と特徴を問う。 |
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9. 技術要素 |
19. ヒューマン インタフェース |
・GUI,メニューなど,インタフェースの設計の考え方,特徴を問う。 ・Web デザインの考え方を問う。 ・ユニバーサルデザインの考え方を問う。 |
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20. マルチメディア |
・JPEG,MPEG,MP3 など,符号化の種類と特徴を問う。 ・Virtual Reality(VR),Computer Graphics(CG)など,マルチメ ディア技術の応用目的や特徴を問う。 ・情報の圧縮と伸長,メディアの特徴を問う。 |
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21. データベース |
・データベース及びデータベース管理システム(DBMS)の意義,目的,考え方を問う。 ・データの分析・設計の考え方,データベースのモデルの特徴を問う。 ・データの抽出などの操作方法を問う。 ・排他制御,リカバリ処理など,データベースの処理方法を問う。 |
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22. ネットワーク |
・ネットワークに関するLAN やWAN の種類と構成,インターネットやLAN の接続装置の役割を問う。 ・通信プロトコルの必要性,代表的なプロトコルの役割を問う。 ・インターネットの特徴と基本的な仕組みを問う。 ・電子メール,インターネットサービスの特徴を問う。 ・モバイル通信,IP 電話など,通信サービスの種類と特徴,課金,伝送速度などに関する理解を問う。 |
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23. セキュリティ |
・ネットワーク社会における安全な活動の観点から情報セキュリティの基本を問う。 ・情報資産とリスク管理の目的,情報セキュリティポリシの考え方を問う。 ・ウイルス対策などの技術的セキュリティ対策の考え方,種類と特徴を問う。 ・入退室管理やアクセス管理など,物理的・人的セキュリティ対策の考え方,種類と特徴を問う。 ・ID・パスワード,コールバック,ディジタル署名,生体認証技術など,認証技術の種類と特徴を問う。 ・公開鍵,秘密鍵など,暗号化技術の仕組みと特徴を問う。 |
■受験手続
個人受付と団体受付があります。
- 個人受付は
- 郵便局での受付
- インターネットでの受付
- 団体受付は
- 10人以上
- 書面及び電子媒体での受付
■試験地
全国主要都市です。
■問い合せ先
問い合わせは次のとおりです。
- 独立行政法人 情報処理推進機構 情報処理技術者センター
- 〒113-8663
東京都文京区本駒込2-28-8 文京グリーンコートセンターオフィス15F - TEL:03-5978-7600
- 音声&FAX情報サービス 03-5978-7609
- URL:http://www.jitec.jp/
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